参考資料:企業倒産・企業再生
3.破産の手続きについて
法人破産手続きの流れ
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債務者申立の東京地方裁判所における一般的な破産手続きの流れを教えてください。
- 法人破産の場合申立から債権者集会までどの程度日数がかかりますか。
およそ3~5ヶ月程度です。
破産手続き申立までの手続き
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申立までの準備としてはどのようなことが必要ですか。
- ① 後述する破産申立に必要な書類の準備について申立代理人の弁護士に協力します。
- ② 申立に必要な予納金と申立代理人の費用を準備します。
- ③ 現金,通帳,有価証券,カードなどを申立代理人に預けます。
- ④ 債務者一覧表(売掛金一覧表)の帳票類を保全しておきます。PCあるデータは印字しておきます。また入金先を相殺されない金融機関に変更するなど金融機関からの相殺を防止する手段を講じておきます。
- ⑤ 自動車などについては,目録を作成するとともに保管場所を確保し移動しないように,鍵・車検証を別途保管します。
- ⑥ リース物件も目録を作成するとともに持ち出されないように保管します。また契約書を保管します。
- ⑦ 不動産や在庫については目録を作成し,看板を掲示するなどして立ち入りや持ち去りを防止します。
- ⑧ 賃借物件については目録を作成し,契約書も保管します。明け渡し可能物件については明け渡しをすませます。
- 法人破産の際申立に必要な書類等はなんですか。
- 1 収入印紙(1,000円)
- 2 郵便切手(4,000円)
- 3 裁判所への予納金(12,830円、 円)
- 4 商業登記簿謄本(3ヶ月以内のもの)(登記事項全部証明でも可)
- 5 破産申立についての議事録または取締役全員の同意書
- 6 委任状
- 7 債権者一覧表 一般債権、優先債権、財団債権に分け、それぞれ債権者名、同住所及び債権額を記載してください。また、区分ごとの債権者数(通し番号入り)と債権合計額を記載した上、末尾に総債権者数と総債権額を記載してください。
- 8 債務者一覧表
債務の種類別に分け、債務者名、同住所及び債務額を記載し、区分ごとに債務者数、債務合計額を記載したもの(通し番号入り)。 - 9 資産目録
- 10 代表者の陳述書
- (1) 業務内容、倒産に至る経緯
- (2) 資産・負債の概要、整理・清算の概要、事業用施設の処理状況、在庫等資産の処分状況、帳簿・代表印の保管状況
- (3) 従業員の状況、労働組合の有無、解雇の有無、給料・解雇予告手当・退職金の支払い状況
- (4) 業務内容、倒産に至る経緯
- 11 債権者・債務者送付用宛名入り封筒(タックシール使用可)
- 12 貸借対照表・損益計算書(直近2期分)
- 13 清算貸借対照表(破産申立日現在)
- 14 税金の申告書控えのコピー(直近2期分)
- 15 不動産登記簿謄本(3ヶ月以内のもの)
- 16 賃貸借契約のコピー
- 17 預貯金通帳のコピー(2年分)
- 18 車検証・登録事項証明書のコピー
- 19 会員権証書のコピー
- 20 有価証券のコピー
- 21 生命保険証書/解約返戻金計算書のコピー
- 22 訴訟関係書類のコピー
- 法人破産申立の予納金について教えてください
開始決定時に裁判所のほうに納められる予納金は、原則として、いわゆる裁判所予納金(官報公告費用。自然人1人1万6090円、法人1件1万2830円)のみであり、管財人報酬などの手続費用に充てられる予納金(従来は、いったん裁判所に納めてもらった上で財団に組み入れていたもの)は、他の引継現金とともに、申立代理人から管財人に直接引き継いでもらっています。引継方法としては、現金の授受よりも、管財人の口座開設後に申立代理人からそこに振り込んでもらうほうがよいと思われます。
この引き継ぎ予納金の額は、個人事件、法人事件を通じ、関連事件を含めて(例えば、個人事件で夫婦が一緒に申立てをする場合や、いわゆる法人並存型の場合などのように、同時に数件の申し立てをするときでも、全体で)、最低20万円とする扱いです。 - 自由財産とはなんですか。
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(1) 法人事件の換価対象
法人事件の場合には、財団のすべてが換価の対象となります。 - (2) 個人事件の換価の基準
これに対し、個人事件の場合には、破産者の生存権の保障、現金についての自由財産の範囲の拡張との均衡、同時廃止事件との均衡及び管財業務の効率化という観点から、東京地裁民事20部と東京三弁護士会との協議に基づき定められた下記の換価基準により取り扱います。
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(1) 法人事件の換価対象