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法改正情報

2023年02月03日

 厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会労働条件分科会が、2022年12月27日に、無期転換申込権に関連したルール及び専門業務型裁量労働制に関するルールについての見直し案をまとめ、2024年以降法改正が予定されています。

◆無期転換申込権に関連したルールについての見直し案
 前提として、無期転換申込権とは、有期労働契約の通算契約期間が5年を超えた場合に、労働者から無期契約への転換を申込する権利のことです(労働契約法第18条第1項。)。この無期転換申込権が適法に行使された場合、使用者は転換を承諾したものとみなされるため、強制的に無期契約に転換されます。

fig01

 ※横スライド表示出来ます。

出典:厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21917.html

●見直し案のポイント
①無期転換申込権発生時の明示義務

 無期転換権申込権が発生する契約更新時に、無期転換申込権が発生すること及び無期転換後の労働条件について明示することが義務化されます。
 たとえば、契約期間が1年の場合、5回目の更新時(※)に無期転換申込権が発生すること及び無期転換後の労働条件について明示しなければならなくなります。
※無期転換申込権が行使されずに有期雇用契約が5回目以降も更新されていく場合には、更新の都度明示が必要となります。
明示すべき無期転換後の労働条件は、雇い入れ時に書面(※)で明示すべき事項(労働基準法第15条第1項・労働基準法施行規則第5条第1項)については、書面での明示を要求されます。
※労働者の同意を得た場合には、電子メール・FAXも可。

②更新上限の明示義務

 更新の上限の有無及びその内容については、雇い入れ時に明示すべき労働条件(労働基準法第15条第1項・労働基準法施行規則第5条第1項)に追加されるため、書面での明示を要求されます。
 また、契約締結後に更新の上限を新たに設ける場合又は更新上限を短縮する場合には、その理由を労働者に事前説明することが求められます。

◆専門業務型裁量労働制に関するルールについての見直し案のポイント

 最も大きな変更点は、専門業務型裁量労働制を適用するためには、労働者の個別の同意を得ることが必要とされた点です。
 これまで専門業務型裁量労働制を対象労働者に適用するためには、従業員代表者との間で労使協定を締結し、労働基準監督署に届出をし、就業規則等で専門業務型裁量労働制を適用することを規定すれば足り、労働者の個別の同意は不要でした。
 しかし、今回の見直しでは、労使協定の締結等に加えて労働者の個別の同意も求められることとなりました。
 同意を得るにあたっては制度概要等の説明が求められ、同意の撤回の手続きも定めることが必要となる見込みです。また、当然のことながら、同意しなかったことや同意を撤回したとしても不利益取扱いを行わないことが求められています。  したがって、特に専門業務型裁量労働制を適用している企業においては、同意を得る際の説明資料等の準備や、万が一専門業務型裁量労働制の適用に同意が得られなかった場合にどのように対応するかについて、今の内から検討しておくことをお勧めします。

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