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最低賃金の引上げ
2023年09月05日
2023年度(例年10月ころの改定)の最低賃金について、2023年7月28日に、厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会は、令和5年度地域別最低賃金額改定の目安額を示しました。引き上げ額の目安額は39円から41円です。
これを受けて、各都道府県の地方最低賃金審議会が、それぞれの都道府県の令和5年度の地域別最低賃金の改定額を答申し、2023年8月18日に出揃いました。
各都道府県の具体的な引き上げ金額は下記表のとおりです。
◆令和5年度 地域別最低賃金 答申状況
※2 効力発生日は、答申公示後の異議の申出の状況等により変更となる可能性有
※3 経済センサス(旧:事業所・企業統計調査)等の調査結果に基づいて、全国加重平均額の算定に用いる都道府県別の適用労働者数の更新を行っており、今年度の全国加重平均額の引上げ額には、労働者数の更新による影響分(1円)が含まれている
(出典:厚生労働省ホームページ)
上記表のとおり、目安額を上回る引き上げ金額の答申を行った地域もあります。全国加重平均額は昨年度から43円引上げの1004円となっており、初めて1000円を超えました。また、昨年度から43円の引き上げは、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となっており、かなり大きな引き上げとなります。
そのため、2023年10月からの最低賃金の引き上げに備えて、
最低賃金額以上かどうかを確認する計算方法を今一度確認しましょう。
なお、最低賃金の対象となる賃金は、通常の労働時間、労働日に対応する賃金に限られるため、次の①から⑥の賃金を除いた賃金を対象に計算を行います。
①臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
②1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
③所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
④所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
⑤午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
⑥精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
時間給≧最低賃金額(時間額)
⑵ 日給制の場合
日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
ただし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、
日給≧最低賃金額(日額)
⑶ 月給制の場合
月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
⑷ 出来高払制その他の請負制によって定められた賃金(歩合給)の場合
賃金計算期間における歩合給の総額÷賃金計算期間における総労働時間
≧最低賃金額(時間額)
⑸ 上記⑴、⑵、⑶、⑷の組み合わせの場合
それぞれ上記⑴~⑷の式により時間額に換算し、それを合計したものと最低賃金額(時間額)を比較します。
例えば、基本給が日給制で、手当が月給制の場合、基本給にかかる部分は⑵の計算式で、手当にかかる部分は⑶の計算式でそれぞれ時間額を計算し、そのそれぞれの時間額の合計額と最低賃金額を比較します。