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勝算の判断

2018年04月16日

 弁護士の多くは、争いごとの解決や争いごとの未然防止を生業としています。争いには勝ち負けがつきものですから、勝算を読むことが弁護士には求められます。
 勝算を判断するファクターとして、①大義名分があるのか、②勝負をするタイミングは適切か、③勝負をする場面は適切か、④応援団として適切な人物がいるのか、⑤勝負する構えができているのかが挙げられます。また①から⑤は、相手や相談者(本人)の状況や動向によって 刻々と変化し、一定していません。
 ①の大義名分とは、自分だけの利益のための争い事ではないということを指します。私の経験上、自分さえよければそれでよいという相談者はまずおられません。ほとんどの場合、大義名分があります。むしろ本人が気づいていない場合もかなりあります。大義名分がないと本人以外の人(大義名分により相手も譲歩する場合があります)を味方につけることができません。②のタイミングとは、現時点で勝負をした場合の勝ち目のことです。③の場面とは、勝負する場が、話し合いか、司法手続きか、行政手続きか、その他か、また司法手続きでは何がいいのかなどということです。④の応援団とは、本人のために働いてくれる有能な人のことです。本人の会社の部下であったり、家族であったり、関係士業の人であったり様々な人をさします。⑤の構えとは、勝負をするための準備態勢のことで、本人やその関係者は勝負をするために必要な協力ができるのかということです。また弁護士は①から⑤を有利に運ぶために、相手や相談者の状況・動向にも気を配らなければなりません。
 ところで、勝負どきとは、必ずしも弁護士の専売特許ではないはずで、人生において、事業においてどなたでも勝負どきはあるはずです。勝負どきに皆さんも上記の内容と似た判断を無意識のうちに行っているはずです。ちなみに、上記①ないし⑤は、中国の古典で有名な兵法書である孫子に、「戦力の優劣を判断するには①道、②天、③地、④将、⑤法によって行う」とあるのを思考の整理のために自分流にアレンジし解釈したものです。

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