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人が心をうごかすとき
2017年12月16日
弁護士は,対立した相手と交渉をして話をまとめ上げることを一つの生業としています。そのために傾聴が大事だと言うことをいろいろな場面でお話ししています。傾聴することにより,相手がこちらの意見を聞く下地ができます。傾聴というのは相手の心を開かせます。
問題は次に何を話すかです。開いた心を閉ざすようになっては困ります。私は,傾聴後に話す内容は大きく二つに分けられるような気がします。一つは,お互いにメリットがある(お互いが幸せになる)内容を見つけて話すことです。もう一つは,相手にとっては耳の痛いことかもしれませんが,自分の信じていることをしっかり話すということだと思います。皆さんは耳の痛いことを話すと相手は心を閉ざすのではないかと危惧するかもしれません。私は,相手が心を閉ざすのを防ぐためにまず相手に,「あなたにとって耳の痛いことを話しますが・・・」「弁護士だからまず堅い話をさせてください・・・」などといって,これから相手があまり聴きたくない話をするための心の準備をしてもらいます。それから,自分の信じていること納得していることを話します。
自分の信じていること納得していることは,いわば心で理解していることなので,相手の心に響きます。人の心を動かすには心で話すことがまず大事なのではないでしょうか。